こんにちは!iTeen和歌山駅前校です。
私たちは「あそびが まなびに変わる」という言葉を大切にしていますが、時に生徒さんの「学び」の深さが、私たちの想像を遥かに超えてくることがあります。
本日ご紹介するのは、まさにそんな「超大作」。
小学4年生、Hちゃんが作った「音楽ゲーム2」と、その制作過程をご自身で分析した「紹介資料」です。
この作品のすごさを、3つのポイントで解説させてください。
ポイント1:デザイナーの視点「こだわりポイント」
まず、Hちゃんが「こだわりポイント」として挙げてくれた内容をご覧ください。
「ボタンが文字だけだと寂しかったので、その音楽と適している動物やイラストをのせてみたところです。」
これは、単なる「飾り付け」ではありません。
「どうすれば、使う人(プレイヤー)がもっと楽しく、直感的に操作できるか?」という「ユーザー体験(UX)」をデザインする思考そのものです。
小学4年生にして、すでに「作り手」から「使い手」への想像力が働いていることに驚かされます。
ポイント2:「5重奏」と「6重奏」に挑んだ実行力
Hちゃんのゲームでは、10種類の音楽を選んで聴くことができます。
その中でも、Hちゃんが「難しかった」と分析する3曲は、私たちが「すごい」と息をのむものでした。
鉄腕アトム(5重奏)
スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス(5重奏)
チキチキバンバン(なんと6重奏!)
「5重奏」とは、ピアノ、木琴1、木琴2、低音楽器、鉄琴など、5つの異なる楽器パートを同時に、寸分の狂いもなく演奏させるプログラムです。
動画に映るScratchのコード(ブロック群)の「縦の長さ」を見ていただければ、Hちゃんがどれだけ膨大な量の楽譜を読み解き、一つひとつの音符をプログラムとして打ち込んだか、そのすさまじい努力量が伝わるかと思います。
ポイント3:圧巻の「自己分析(メタ認知)」
そして、私たちが最も感動したのが、このプレゼンテーション資料そのもの、Hちゃんの「自己分析能力(メタ認知)」です。
Hちゃんは、ただ作るだけではありません。「なぜ難しかったか」「どうやって解決したか」を、自分の言葉で完璧に分析しているのです。
特に「鉄腕アトム」の分析は、プログラミング教育の「核」とも言える内容でした。
「初めての5重奏なので、音がずれることが沢山ありました。その原因を探すのが大変でした。原因は、音価(音の長さ)が違うことでした。」
これは、
バグの発生(音がずれる)
↓
問題の切り分け(原因を探すのが大変)
↓
原因の特定(音価が違った)
↓
デバッグ(修正)
という、エンジニアが日々行っている「問題解決のプロセス」そのものです。
「音がずれる」という現象に対し、「音程(ピッチ)」ではなく「音価(長さ)」が原因だと突き止めたHちゃんの論理的思考力と忍耐力に、私たちは脱帽するしかありません。
「スーパーカリ〜」で5重奏に慣れ、「チキチキバンバン」ではあえてパートを増やして「6重奏」という、さらに高いハードルに挑戦する。
Hちゃんは、この一つの作品を通して、
ユーザーのことを考える「デザイナー」
膨大な楽譜をコード化する「プログラマー」
バグの原因を突き止める「エンジニア」
自分の学びを言語化する「アナリスト」
これら全ての側面を見事に発揮してくれました。
Hちゃん、感動的な作品とプレゼンテーションを本当にありがとう!
iTeen和歌山駅前校は、Hちゃんのような生徒さんの「探究心」と「やり抜く力」を、これからも全力でサポートしていきます。
